横浜国立大学 電子情報システムEP 編入体験記
こんにちは。オリンピック開会式が無事に行われましたね。ピクトグラム面白かったです。なんだかんだスポーツ観戦は面白いですね。
横浜国立大学-理工学部-数物・電子情報系学科-電子情報システムEPの編入体験記を書いていきます。令和3年に実施された試験(令和4年入学)についてです。
他の受験大学も含めた総合的な体験記はこちら。
注意事項
本記事は編入合格体験記です。生存者バイアスがかかりまくっています。僕の勉強法を真似しても合格するとは限りません。
「こうすれば合格できる」ではなく「こんな奴でも合格できる可能性はある」程度に、あくまで参考にしてください。
横浜国立大学とは
神奈川県横浜市保土ケ谷区に位置する総合大学です。文系も理系も同じキャンパスに通います。
試験の時の大学の印象ですが、自然公園かと思うほど「森」でした。
大学周辺は普通の住宅街で、都会という感じではないです。電車に乗ればすぐに大都市に出られます。ただ駅までは多少距離があり、大学が山の上なので慣れるまでは疲れると思います。
志望動機
- 「横浜」という地名の響き(50%)
- 総合大学で文系の人とも触れ合える(20%)
- 大学名ブランド(10%)
- 電子情報システムEPでは電気電子系および情報系両方学べる(10%)
- 比較的試験問題が易しい(10%)
試験内容について
とりあえず過去問を入手しましょう。大学に問い合わせて取り寄せできます。自分の学校の学生課が取り寄せていることもあります。
英語(TOEIC)
TOEICスコアを願書提出時に送付します。早めに受験しましょう。低くとも600、目標730は欲しいです。
基礎科目
数学
線形代数は行列の固有値・固有ベクトルから対角化に関する問題が多いです。
微分方程式は、1階の微分方程式が出ることが多いです(過去に2階が出たことアリ)。変数分離や定数変化法、同次形(y/xを置換)などを利用して解きます。
数学は簡単なので、満点を狙いたいです。
物理
力学が出ます。
質点・質点系と剛体どちらも出題の可能性があります。ケプラーの法則など編入学試験には珍しい問題が出ることもあります。
例題レベルのときと初見レベルのときがあり、難易度のブレが激しいです。簡単なときは確実に、難しい時はほどほどにして数学の見直しに時間を使うのがいいと思います。
専門科目
5科目から4科目選択です。
電磁気学
電気影像法や電気双極子などややこしいのは出ません。キャパシタンスとリアクタンスの問題が多いです。
めちゃ簡単なので確実に満点を狙いたいです。
電気回路
交流回路のときは計算ミスに気をつければそこまで恐ることはありません。
たまに直流回路の過渡現象が出ます。微分方程式の立式がちゃんとできるようにしましょう。
論理回路
カルノー図を用いた簡単化が多いです。ケアレスミスに気をつければそこまで難しくないです。
たまに知識問題が出ます。Mealy型順序回路とMoore型順序回路の違いについてしばしば聞かれます。
電子工学
最も安定しない科目です。難しい時は本当に難しいです。
電気伝導率・ホール効果・サイクロトロン・フェルミ分布関数は簡単なので抑えておきましょう。それ以外で過去問にないところが出たら捨てです。
ただ、アルゴリズムが全くできない人は選択せざるをえないので頑張りましょう。
アルゴリズム
ソート法と二分探索木と連結リストができれば8割対応できます。
たまに変なプログラムの動作を追えみたいな問題が出ます。
C言語の文法を知っているのは前提です。
やった勉強(専門)
基礎科目についてはこちら。
電磁気学・電気回路・論理回路
学校の授業だけで十分対応可能だったので、過去問を解いただけです。
電子工学
過去問に出た範囲以外だったら捨てると決めていたので、過去問を解きつつ分からない範囲を教科書で調べていました。
アルゴリズム
この本を読んでいました。プログラミング経験が少ない人は実際にプログラムを書いて実行してみるといいです。
試験本番
前日
新幹線で新横浜に着いた後ホテルに荷物を置いて、みなとみらいで遊びまわっていました(笑)。全く勉強はしませんでした。
当日
試験室到着まで
友達が下見をしてくれていたので、友達に案内されながら移動しました。ちょうどこの時大雨(熱海の土砂崩れがあった時期)で、参考書とかで重くなった鞄を持ちながらの移動は大変でした。
大学内も試験室のある建物まで結構な距離を移動しました。時間には余裕を持ちましょう。
基礎科目
数学
線形代数は簡単な対角化とn乗の極限に関する問題でした。満点だと思います。
微分方程式は、1問目はただの同次形(y/xを置換)でした。2問目は三角関数の積分でtan(x/2)で置換するタイプの少し面倒くさい奴でした。なんと僕は1問目で初歩的なケアレスミスをやらかしてしまいました。これに昼休み中気がついてしまい、5分ほどフリーズしてしまいました。
物理
鬼でした。鉛直上方に質点を投げ上げる運動なのですが、速度の2乗に比例する空気抵抗がかかっていました。1乗の時と比較して計算がめちゃくちゃ面倒になり、時間内に解き終えることができませんでした。たぶんこれ解けている人はほとんどいないです。こいつのせいで数学の見直し時間を確保できませんでした。よくて5割。
専門科目
1問目は平行無限長直線導体のキャパシタンスでした。
2問目は磁気回路を用いて自己インダクタンスを導出する問題でした。磁気回路は少し珍しいのかもしれませんが、そこまで難しくなかったです。
電気回路
直流回路の過渡現象でしたが、並列回路になっていて計算が大変面倒臭そうだったので、選択しませんでした。
NANDが完全系であることを示す問題と、カルノー図による簡単化でした。簡単でした。
電子工学
フェルミ準位の説明とフェルミ分布関数の図示、不純物半導体のバンド図の図示とそれぞれのフェルミ準位が真性半導体と異なる理由の説明、キャリア密度の計算(np=ni^2)でした。例年と比較して簡単だったと思います。
2つの関数の動作を追うことにより、なにをしているのかを推測するというのが大筋でした。1つ目の関数は掛け算、2つ目の関数は余り切り捨ての割り算でした。知識が無くてもプログラムが読めればだいたい解ける問題だったと思います。
面接
3人の先生がいました。雰囲気は和やかでした。以下聞かれた内容
- 電子情報システムEPの志望動機
- 現在の卒業研究
- 興味のある研究室
- 3年次編入だが2年以下の単位を取る必要があるかもしれない、構わないか
- 教員免許とりたいか(めっちゃ大変らしい)
- TOEICの点数いいね、どんな勉強したか
- なにか資格もっているか
まとめ
横国の問題は、難しい問題に食らいつけるかというよりは標準的な問題を確実にこなせるかというのを重視している傾向があります。参考書の例題レベルをミスなく解けるようにするのが最優先です。TOEICは早めに良いスコアをとりましょう。
参考になれば幸いです。
質問などコメントにご自由にどうぞ。Twitter@Ytech_coinsのDMでもどうぞ。
大学編入体験記(筑波・横国・名工・豊田工)
こんにちは。オリンピック開会式が今日ってマジ!?
大学編入体験記を書いていきます。令和3年に実施された試験(令和4年入学)についてです。
注意事項
本記事は編入合格体験記です。生存者バイアスがかかりまくっています。僕の勉強法を真似しても合格するとは限りません。
「こうすれば合格できる」ではなく「こんな奴でも合格できる可能性はある」程度に、あくまで参考にしてください。
受験校
志望順です。
- 筑波大学-情報学群-情報科学類 合格
- 横浜国立大学-理工学部-数物・電子情報系学科-電子情報システムEP 合格
- 名古屋工業大学-工学部第一部-電気・機械工学科-電気電子分野 合格
- 豊田工業大学-工学部-先端工学基礎学科 合格
幸せにも全部合格しました。どうだすごいだろ
スペック
平均的な国立高専の学生です。電気電子系の学科です。
3年と4年のときのGPAは4.0(最高値)です。僕の学校ではGPAがそのまま席次になるので、面倒な授業を外しまくってGPAを下げないようにしました。そんな人たちばかりなので席次1位は複数人いたと思います。
保有資格等は
編入を選んだ理由
もともとの高専の志望動機がこうでした。
- 専門分野を早く学びたい。
- 文系の一般科目にあまり興味がない。
- 大学には編入した方が楽そう。←オイ
大学に行きたい理由は、将来研究か開発の職につくためには院卒は必要だと思ったからです。
タイムライン
1~3年
ロボコンばっかやっていました。プログラム担当でした。結果はダメダメでしたが、ここでのプログラミング経験が編入に大いに役立ちました。
成績は理系科目はいい感じでしたが文系科目(地理歴史とか)が悲しいことになっていました。3年は文系科目が減ってきていたので楽でした。3年で強制的に受験させられたTOEICIPは395でした。
3年の時、夏休みに一ヶ月ほど集中して勉強して電験3種を取りました。
編入勉強は皆無です。
4年
コロナ禍到来。前期の授業がオンラインになりました。ゲーム三昧の日々を送っていました。
夏休み明けから対面授業が始まりました。旧帝志望の友達が編入勉強を始めていました。
この頃から情報系の学問に興味をもち、応用情報を取りました。
秋にTOEICIPを受けて、結果が455でした。
冬休みに入り、流石にTOEIC対策しようと思いましたが、思うだけでしませんでした。アホです。
1月に受けたTOEICで550でした。ついに重い腰を上げてTOEIC対策を始めました。
4年→5年の春休み
2月のTOEICで620、3月には805になりました。英語の勉強をやめました。
3月に入ってから数学・物理の勉強を始めました。参考書の難易度に絶望し、自分の勉強開始が遅かったことを後悔します。1日12時間以上は勉強していました。
4月
学校が始まりましたが、編入や卒業に不要そうな授業は外しまくって勉強時間を確保しました。
数学の勉強に注力していました。1日6時間程度の勉強です。
5月
物理の勉強に注力していました。4月までの勉強で疲れたせいかモチベーションが低下し、平均して1日3時間程度の勉強でした。
6月
横国の過去問にとりかかりました。6年分一周した後友達と答え合わせをしてほぼ正解だったことから自信を得ました。
横国の不安要素が物理だったので、物理を中心にしながら気分転換に専門科目を勉強していました。
19日は豊田工の試験でした。面接だけなので、志望動機以外は無対策で行きました。
24・25日は名工の試験でした。受かる気はしなかったので、前日に過去問解いただけでした。しかしながら、思いのほか専門科目の出来がよかったので、少し希望を抱きます。
30日に豊田工の合格通知が届きました。全落ち回避でとりあえず安心しました。
7月
3日は横国の試験でした。簡単な数学で大ポカをやらかしたので、気分はダダ下がりでした。合格の手ごたえは5割程度。
10日は筑波の試験でした。数学1で大爆死したので、落ちたと思いました。ただ、前日には名工の合格が分かっていたのでそこまで落ち込みませんでした。
そわそわしながら1週間ちょいを過ごします。
21日、筑波と横国の合格発表でした。前日の夜に不合格の夢を見るという不吉な出来事がありましたが、無事両方とも合格し、僕の編入学試験は終わりました。
どんな勉強をしていたか
タイムライン見てもらうとわかる通り、実はまともに対策していたのは横国のみです。また、専門科目は学校の授業でほとんどカバーできていたので、時間のほとんどを数学・物理に注ぎ込んでいます。
塾・予備校には行きませんでした。
英語 (TOEIC)
僕は長文読解は得意ですが、語彙力とリスニング力が壊滅的なので、金フレの音声を1.5倍速でひたすら聞いていました。また、TOEICの公式教材を毎日少しずつ解いて、問題形式に慣れました。
多くの大学で、TOEIC730が満点になるようです。これを超えるとかなり余裕が生まれるので頑張りましょう。
↑最優先。苦手な人は銀フレからでもいいかもしれません。
↑1日1unitだけ解いていました。やりこみはしていません。
↑試験が近くなったら2周ほどすると文法問題をごまかせるようになります。
数学
まずはじめに徹底研究を1周しました。もちろん自分の受験校に出ない範囲は解いていません。
基礎が足りていないと思ったので、微積と線形代数それぞれで専用の参考書を使って勉強しました。
過去問特訓は最後の仕上げにAとBのみ1周しました。
↑ド定番。最初にこれをやって編入学試験の雰囲気を掴みましょう。
↑難しい大学受ける人は頑張りましょう。筑波以上を受けるならやったほうがよろしいかと。
↑微分方程式がだいたい解けるようになります。
↑オススメ 行列・行列式の計算はだいたいできるようになります。
↑ベクトル空間や線型写像の知識が皆無だったので読みました(読んだだけ)。ジョルダン標準形も書いてあります。
物理(主に力学)
電磁気は電気系の学科なので学校の授業だけでほとんど対策していません。以下力学について。
学校の授業内容をほぼ忘却していたので、最初はエッセンスをやりました。
次に基礎物理学演習を1周するも、あまりの難しさ(僕にとって)に絶望します。
演習力学はまだマシでしたが、難しい問題には歯が立たず。
その後友達に教えてもらった大学生の初等力学が僕には難易度的にちょうど良かったので、2周しました。
正直物理は、参考書をやりこむより、色々な大学の過去問を解きまくったほうがいいと思います。
↑物理が苦手な人向け。
↑僕には難しかったです。レイアウトが古臭く、使いにくかったです。解答のページがどこか分からん・・・
↑基礎物理学演習よりは読みやすかったです。
↑個人的オススメ。誤植が多かったようですが今の版は改善されています(多分)。
↑電磁気はこれがある程度できれば十分では?ただし、試験に出やすいと思われる「コンデンサーの極板にかかる力」の問題がないので注意。
専門
学校の授業をちゃんと受けましょう。これだけでよほど難しい大学を受けない限りなんとかなります。
もし自分の今の専攻分野と違う大学を受ける場合は・・・頑張りましょう。
僕が受けた大学それぞれについては、個別の記事を作った時に詳しく書きます。
過去問
とりあえず自分が受ける大学の過去問は早く入手しましょう。
過去問を入手しても、いきなり解く必要はありません。まず出題範囲の確認と傾向・難易度を分析しましょう。これにより勉強計画を立てることができます。
過去問は早めから取り組む人が多いですが、個人的な意見として過去問に本格的に取り組むのは試験が近づいてからでいいと思います。しばらくは広く一般的な勉強をして、想定外の出題に惑わされない確かな基礎力を身につけるのがいいと思います。
自分が受ける大学以外の過去問にも取り組むのはオススメです。
振り返り
見てわかる通り、なんでこれで受かったのか不思議になるくらい明らかに勉強不足です。他のつよつよ高専生はもっと勉強しています。確実に受かりたければ4年冬休みからは勉強しないとまずいです。
また、春休みに集中しすぎたせいか5月からのモチベーション管理がしんどかったです。短期に詰め込みすぎるのは危険でした。
友達にはかなり助けられました。ライバルではありますが、敵とみなすより協力したほうが精神的にも戦略的にも遥かにいいと思います。「皆が解けない問題」の前に「皆が解ける問題」を攻略するのが大事です。
まとめ
- 勉強は4年の冬休みには始めよう。
- TOEICはさらに早くから。730目指そう。
- 過去問をできるだけ早く手に入れて分析しよう。
- 友達と仲良くしよう。
最後に
分かりやすい授業をしていただいた先生、学習面でも精神面でも支えてくれた友達、各種受験料やその他費用を負担し普段から面倒を見てくれた両親に心から感謝します。
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